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[高校総体東北大会]決勝|常盤木学園が3年ぶり7度目V!前半のCKが勝負を分ける

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

2024年6月17日(月)
第66回東北高等学校サッカー選手権大会 決勝
常盤木学園 4-1 専大北上
得点:[常盤木学園]岡村まどか(4分)、菱沼みずき(18分、66分)、野澤花陽(41分)、[専大北上]髙鹿沙紀(41分)



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常盤木学園(宮城)は6月17日、ユアテックスタジアム仙台で行われた第66回東北高等学校サッカー選手権大会決勝で専大北上(岩手)と対戦。4-1で勝利を飾り、3年ぶり7度目の優勝を飾った。

前日の準決勝で尚志(福島)を下した勢いそのままに前線からプレスをかけて主導権を奪いにきたのは専大北上だった。対する常盤木学園は自陣でボールを回しつつ、シンプルに相手陣へとボールを運ぼうと試みる。

試合が動いたのは前半4分。常盤木学園は左コーナーキックを獲得する。キッカーはキャプテンのMF髙木沙都(3年)。「最近の試合や練習でまどかがファーサイドで詰めてくれることが多かったので、それを狙って蹴りました」と、ファーポスト付近を狙ったボールをDF岡村まどか(3年)が押し込む。この試合、最初のチャンスをモノした常盤木学園が先制する。

開始早々の得点がチームに落ち着きをもたらした。先制後も専大北上の積極性は変わらなかったが、常盤木学園も自陣でつなぎながら冷静に相手陣内へとボールを運んでいく。すると追加点のチャンスがめぐってくる。

前半18分、常盤木学園はふたたびコーナーキックを獲得する。「いつもヘディングで決めてくれる。蹴ったら決めてくれると思って蹴りました」と、キッカーの髙木が今度はニアサイドに走り込むMF菱沼みずき(3年)めがけて早いボールを蹴る。菱沼は狙い通りにヘディングで合わせて、2点目を奪った。

前半は専大北上がボールを保持する時間が長かったが、セットプレーのチャンスを確実に得点につなげ、試合を優位に進めることに成功した。

2-0で折り返した後半開始早々の6分にはDF野澤花陽(3年)が鮮やかなミドルシュートを決めて3点目。直後に1点を返されたが、終了間際の後半31分に菱沼の2点目が決まり、4-1と突き放して勝負を決定づけた。

常盤木学園は今シーズンが開幕した4月からある程度メンバーを固定して戦ってきた。チームの成熟度は高く、戦い方を全体で共有していることが強みだ。

共有していることのひとつは、しっかりとボールをつなぐこと。個々で簡単に打開できるような相手との試合でも、楽して個人で突破するようなプレーは見られない。トップチームでもセカンドチームでもそれは変わらない。髙木は次のように話す。

「自分たちはビルドアップから攻めることを強みとしています。(阿部)先生にも蹴らずにつなぐことを言われてたので、攻められてる時間でも落ち着いて回していきたい。センターバック、サイドバックが持った時にどこに動いて受けるかとかはみんなで共有しています」。

インターハイに向けて、新たな選手の台頭が課題になってくると筆者は考えていたが、この決勝でもその兆しが見えてきた。

この日、左ウイングのポジションではDF海野安璃(2年)がスタメン出場する。後半13分には野澤、DF星吏紗(3年)の両サイドバックに代わって、MF阿部菜々子(2年)とMF山崎詩乃波(3年)が出場すると、海野が左サイドバックに下がり、インサイドハーフの菱沼が左ウイングに開き、山崎がインサイドハーフに入る。

「(海野)安璃がサイドにいる時はスピードが速いので縦にいく。ひし(菱沼)が中で受けてシュートを打つのが得意なので、それを意識しました。(山崎は)間で受けてサイドにさばけるので、(山崎)詩乃波から次の受けを工夫していました」と髙木。海野、阿部、準決勝で先発した横田などの台頭により、選手起用の選択肢も増えてきた。

チームとしては2年ぶりのインターハイ出場権獲得だが、2年前は大会前日に辞退している。実質的には3年ぶりの出場となり、チームにインターハイ経験者はいない。「優勝目指してチーム一丸となって戦っていきたい」と髙木。まずはここまで積み上げてきたものを全国の相手にぶつけながら頂点をめざす。